カテゴリ:CBR1000RR( 22 )

vol19-1 【初戦報告】2006もてぎロードレース選手権第二戦 オープンマイスター(決勝)

 予選終了から約6時間を経ての決勝レース。今回のオープンマイスタークラスはプログラム中でもっとも遅いスタートとなり、決勝は午後5時過ぎとなった。
 快晴に恵まれた日曜日だったが、お昼には40度以上あった路面温度もこの頃には30度台前半にまで下がってくる。
 ウォーミングアップラップを走った感触は「少なくとも予選以上に悪くなっていることはない」というものだったが、しかし果たしてそれがどこまでいけるのかは見当もつかなかった。いくら地方選手権とはいえ、周囲にいるマシンはかなり速い。新旧問わず、きちんとしたレベルまでマシンを煮詰めているようだ。

 ここまであえてスタート練習はしていなかったが(クラッチの予備がなかったため)サイティングで軽くトライすると「ガッツン!」。どうやらCBRのクラッチは回転を上げてミートすると途中で「食ってしまう」タイプのもので、ほとんど半クラが使えないことが判明した。

(どうする?今回は作戦もへったくれもなくスタートから吹ッ飛ばすしかないぞ?スタートでミスったら、完全に終わりだ………)

 シグナルレッドが消える。ひとまず街中スタートを意識して3000回転ほども上げずにミート、1コーナー突っ込みで気合しかないと決めて飛び込んでいく。ただ、短い加速区間の中でも動力性能差は顕著に現れて、予選二番手のGSXR-K6に乗る選手にスルスルと離されてしまった。
 頑張って1コーナーに入るものの届かず、結局二番手。そのまま立ち上がって仕掛けようとするものの、3コーナーまでの直線でかなり離され、それを突っ込みで相殺するという悪循環がはじまる。当然だが「相殺」だけでは前に出れない。どうするか考えている間に4コーナーから5コーナーまでのストレートで黒川選手CBR954RRにもやられ、一気に三番手に沈む。

 こうなると当初の作戦など全部吹っ飛んでしまっているので、もうイクしかなかったのだが、どうにもGSXRの選手のインに飛び込みきれない。そのまま裏ストレートに入ると、今度はさらに後ろからCBR1000RRの選手にまくられてしまった。ダウンヒル突っ込みで完全にインに入られたので、立ち上がりでやり返そうとアクセルをオンにした。その瞬間、

「ガギャギャギャッ」

 あ、終わった。
 久しぶりの、ハイサイドらしいハイサイドだった。

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 文字通りもんどりうつ様な形で体中をぶつけ、マシンはあらぬ方向を向き、バイクから振り落とされかけた。それでもなんとか諦めずにマシンコントロールを意識する。今回のマスターバイクスペインでも200kmほどの高速コーナーでコースアウトし、そのままの勢いで膝ほどのグラベルに飛び込んで「完全に終わった」と思えるシーンがあったのだが、そこでも「何があっても絶対に転ばない」と攻めの姿勢を保つことで、ギリギリで難を逃れた。それを瞬時に思い起こして、耐えたのだ。出来事はまさに一瞬だったが、すんでのところで転倒を免れ、なんとかラインに戻る。

 しかしこれで前者三台と水をあけられ単独四位まで下がる。このまま終わるわけにはいかない………しかし、思った以上にマシンバランスは形成されていない………残り9周と1/10ほど。さあ、どうする?

           つづく。

photo by yamadasan-kyodofusinsha & bakky
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by kei74moto2006 | 2006-05-25 00:25 | CBR1000RR

vol18 【初戦報告】2006もてぎロードレース選手権第二戦 オープンマイスター(予選)

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 2006年5月21日、午前10時55分。オープンマイスタークラスの予選が始まった。
 ここまで事前テストは結局一回しか出来ず、しかもその仕様は「ほぼフルストック」というもの。モリワキマフラーとブリヂストンタイヤ、モリワキステップ以外はすべてノーマルという状態でスポーツ走行を走り、1分59秒0をマーク。はじめてのマシン、タイヤという組み合わせにしては、悪くないタイムだった。ただこの後悪天候が続き、サスペンションなどを大幅に変更した仕様でのテスト走行が出来ないままの予選となった。この仕様では完全なるぶっつけである。

 予選を走り出して二周目に59秒台に入れるものの「!?」という感触。どうやら変更した前後サスペンションがうまく機能していない(というかほぼリジット)様子。ピットインしてイニシャルをアジャストしようとしたところ、アジャスター機構がロックしてしまっていて万事休す。この後も試走するものの、リヤサスは完全に「リジット化」してしまい、二周目のタイムを更新するどころか危なくてマトモに走れない状況に陥り、そのまま予選を終了。変更したリヤサスは使用不可能、加えてバネレートを変えたフロントサスもまったく合っていない、ファイナルレシオも完全に裏目に出たようだ………。どうする?

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 ………ノーマルに戻そう。
 結局こうするしか方法がなかった。リヤサスをアッセンブリーでまったくのスタンダードに戻し(ちなみにCBRのノーマルサスは車高調整機構もついていないため、これは正直シンドイ設定だ)フロントサスはバネレート交換が不可能だったため、オイル粘度と油面をスタンダードに近い数字に戻し、動きを確保する設定とした。
 なし塾+ASアオヤマ大応援団が見守る中、三度「初仕様」となったCBR。予選は三番手を確保したものの、設定タイムには遠く及ばず、しかも決勝に向けての好材料というのはほとんどない。………果たして決勝はどうなるのだろうか?

                                  つづく

photo by yamadasan-kyodofusinsha
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by kei74moto2006 | 2006-05-23 21:30 | CBR1000RR

vol 16-2 嬉しき協力体制


さて、今回の「突然のレース出場宣言」に対して、すでに各方面から多大なるご協力を戴いている。

ASアオヤマではマシン整備の一切、パーツ管理など、レースに関わる根幹部分をすべて担ってもらっている。

モリワキエンジニアリングからは「速攻」でレース用フルエキマフラー、バックステップキット、そしてスキッドパッドが届いた。どれも秀逸、変わらぬ品質に思わずニンマリとしてしまう逸品ばかりだ。見た目だけのパーツがはびこる中で、未だモリワキマジックは健在、ノーセッティングでガツンとパワーアップするパフォーマンスが最高だ(モリワキほど商品化に時間をかけ、ベンチを回しまくる会社をオレは他に知らない)

またKDCサービスからはフルカウルセットがそろそろ到着の予定。ここの社長の内田さんとは鈴鹿デッチ時代からの知り合いで、当時から色々と面倒を見てもらった。自身も未だドカティでレースを続け、貧乏プライベーターの突然の転倒にも快く対応してくれるカウル屋さんだ。(ちなみになし耐を二連覇している船館土手マンレーシングのCBR600F2。これはもともとオレが起こしたバイクなのだが、このカウルは以前にKDCで大幅に加筆修整してもらい、ウルトラハードな仕様となって今も元気に走っている)

またホンダさん、そしてブリヂストンさんからも多大なるご支援をいただけることとなった。降って沸いたようなかなり強引なレース参戦にも関わらず、大人な皆さんが快くサポートしてくれることに、本当に感謝している。

さて、ノーマル+α仕様でのもてぎシェイクダウンテストの結果だが、割とスグに(つまり二周目とか三周目に)タイムは出なかったが、それに気付いてからはある程度までタイムを削れた、と言っておこう。そのタイムがどれくらいのレベルなのかはレースがスタートするまで分からない。ただ、もちろんここからさらに削り込んでいく予定。まったく時間がないのでエンジン的にはド・ノーマル、STDストックでいくしかないが、それでもまだまだタイムは削れる要素だらけだ。今週末のテストは天気的に微妙なのと、マシン整備の時間がほとんどないことから、キャンセルする可能性が高い。その代わりに全日本の筑波に出向いて、久々に秋吉君のアツい走りを拝みに行こうかと思っている。この「秋吉走り拝観」も、レースに出場する上では重要な要素のひとつだ(笑)。

そうそう、この全日本筑波の招待券が5枚ほどあるので「欲しい!」という方は以下を記入してstd_spd@hotmail.comまで送信して下さい。早い者勝ちでプレゼントしちゃいます。

住所
氏名
年齢
職業
全日本チケットがほしい理由

ちなみにこの全日本にはなし塾卒業生のきっしーも出る予定とのこと。ST600クラスでの予選通過が難しそうだけど、諦めずに最後まで頑張って欲しい。
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by kei74moto2006 | 2006-05-11 11:31 | CBR1000RR

vol15 事前準備

トランポの下準備を開始。
ステップワゴンのシートを取り外してタイダウンを通す場所を探す。
結果、半日足らずで積載可能な状態になった。うん、やっぱハイエースよりステップだな。かれこれ20万キロ以上を共にしたハイエースには、もう二度と乗りたくなくいと思いつつも、毎月乗るハメになっている。もちろんバイクを積むにはこの上ないほど便利だ。だが、じゃあバイクを積まないときにはどうするんだ?

ステップワゴンを買ってよかった。ありがとう北の元レーサー。


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by kei74moto2006 | 2006-05-09 22:06 | CBR1000RR

vol14マスターバイクから帰国(5月8日 5:00am)

今回もなんとか怒涛のスケジュール(第一部、二部)を無事に終了させることが出来た。
しかも今回は「無事」だけでなく、バッチリと結果まで残すことが出来た。これは次号モーターサイクリストに詳細を掲載する予定。今まで参加したマスターバイクの集大成的な内容となるとともに、昨年の過酷な全日本参戦が、遠く離れたスペインはアンダルシア、ヘレスで大爆発するという、運命を感じた戦いとなった。

さてCBRチャレンジだが、いよいよ明日、もてぎで初走行となる。
だがまだマシンは準備がはじまったばかりで、ほとんどノーマルという状態での走行となるだろう。実はまだステップワゴンも「ちゃんとしたトランポ仕様」になっていないので、これから整備することになる。

それより何より「バッツリと西側の時差」にハマっている。帰国早々昨夜はなし塾メンツと快飲し、しっかりとした眠気を獲得したが、午前に寝ても四時前には起きてしまった。ちなみにスペインとの時差は7時間で、午前五時現在の向こうは夜十時。すなわち長い長い白夜めいた一日がようやく傾きかけ、バルでセルベッサをオーダーし、そこかしこのコーナーでのドリフト具合を各国代表選手と称えあいつつ通りすがるセニョリータに投げキッス、みたいな時間帯なのだ。たった一日でそんな空間から逃れられるはずもなく、未だ我が東京スピードはヘレスの只中にある。スペインでもスタンダードCBRに乗る機会があり、オレは10000キロ離れたもてぎをイメージしながらヘレスを走ったわけだが、果たして………。
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:52 | CBR1000RR

vol8 とにかくずっとレースをすると決めた、My way

自分がしたかったレースは「永年的に出来るレース」である。もちろんもっと体力をつければそれが全日本や8耐になるかもしれない。ただ今はそういうものを自分の力だけでやるだけのパワーはない。地元のバイク屋さんとくっついて、さほど資金をかけず、しかも今オレの周りにいるみんなもガンガン巻き込みながら、楽しくて納得できて、しかも「勝ち」にいけるレースをしたい………。

そんなトライアングルが、いまようやく形になろうとしていた。
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:34 | CBR1000RR

vol7 もう一度、あの頃のみんなと。

厳密には高校2~3年間を一緒に過ごさせてもらったNODAの面々。他にも峠では日本で一番速かった「彗星」こと堂園さん、当事からドリフト走行が話題となった福島さんなど、たくさんのタレントがいた。年上なのにいつもオレたちクソガキに「↑」というサインボードを提示される面倒見のいいマッチャン、すぐにキレるウエじいなどにもお世話になった。今にして思えば、よくもあんなに何も知らない高校生の面倒を見てくれたものだと感心する。なし塾に「5000円」という赤字まるだしの学割を採用しているのも、当事の恩返し的な意味合いが強いからだ。

話が長くなったが、前回のテストを経て、ようやくレーサーとしての物心がつき始めた時期にお世話になった人たちと、もう一度レースをしたくなったのだ。自分の戦い、すなわち全日本や8耐は、あくまで身ひとつで大手メーカーや有名チームと交渉し、シートを確保する。個人によって事情は多少異なるだろうが、トップエントラント系のチームのライダーであれば、後はあまりすることもなく「ひたすら走る」のみだ。だが、今回やろうとしているレースはそういう類のものではない。
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:30 | CBR1000RR

vol5 かわいがられている彼女。

当日の筑波はバックストレッチからいきなりメインストレートにいきなり運ばれそうなほどの強風が吹きすさぶコンディションだったが、しかしオートショップアオヤマのCBR600RRはかなり快調に走った。エンジンそのものは以前試乗したテクニカルスポーツの辻村号CBRRなどより当然走らない、だが、車体のカッチリした感じ、各種操作系のパッチリ感はすごくよくて「きちんと整備されているなあ」と感心しきりだったのだ。

本当に色々なマシンに乗ってきたが「そのマシンがかわいがられているかどうか」は、跨ってブーンと発進、5秒で理解できる。青さんのところのバイクはまさに「いい感じで」整備されていた。いつしか「たかが600」という意識は薄れ、久しぶりの筑波を楽しく走行することが出来た。このマシンはオートショップアオヤマ(以下ASアオヤマ)から筑波選手権に出場している萩原選手(通称ブンゲン)のもので、それをベースにこの日は軽くセッティングを行った。するとすぐあとの同選手権で優勝というオマケまでついた(ベストラップは0秒真ん中と、ノービスにしては立派なものだ)。

この筑波テストがきっかけとなって、オレの中のトライアングルがおもむろに活性化した。それまでモヤモヤとしていた霧が晴れかかって、すぐに色々なイメージが浮かんだのだ。テスト後しばらくして、電話した。

「ねえ、もしもだよ、もしもオレがマシンを用意したら、後の面倒は一切見てくれる?」

「え?どういうこと?」

突然の電話に戸惑った青さんは、しかし肯定的に、そう聞き返したのだった。

つづく
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:28 | CBR1000RR

vol4 しかし、トランポを購入しても、肝心のバイクが決まらなかった。


仕事柄様々なニューモデルに試乗する機会はある。その中からもっとも可能性のあるものをチョイスすることは可能だ。しかし「レース」をするのであれば、その後のランニングコスト、メーカーごとのバックアップ体制なども当然考慮しなければならない。色々と悩んでいる間に時間は過ぎ去り、いよいよ3月末を迎えようとしていた。ちょうどその頃、「ねえケイ、ちょっとウチのマシンをテストしてくれない?」という話があった。オートショップアオヤマを経営する青山店長―通称青さん―からのオファーだ。このときの様子は東京スピードでも紹介してる。

青さんは大昔、まだオレが高校生の頃に世話になっていた「ドリームNODA」というチームに在籍していたメカニック兼整備士さんで、右と左くらいしか分からなかったオレに色々と教えてくれた良き先輩だ。店舗規模はさほど大きくはなかったが、この当事の筑波選手権で「ドリームNODA」を知らない奴はいない、というくらい有名なチームで、SP忠男、SSイシイ(現OX)、SSフクシマ(現ドッグファイト)、コシカワ八千代などと並んで、非常に個性もレースも強いレーサーが集まるショップだった。青さん自身も走っていたが、メインは整備だったはずで、他の非常にワガママなメンバーの中で唯一のまとめ役、兄貴分的な存在だった。

その後ドリームNODAは解体されてメンバーは散り散りとなるのだが、ここ数年は当事のメンバーで新年会を開くこともあり、その縁でこのテスト走行が実現することとなった。

ただ、正直言えば「あまり乗り気ではなかった」のだ。
何しろスーパーバイクで1シーズンを終えた後だったので「地方選手権レベルのST仕様600に乗ってもなあ」という気持ちが強かった。しかし「どんなバイクでも速攻で慣れて楽しむ」というのが身上のひとつなので、ひとまずテストしてみることにした。

つづく
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:25 | CBR1000RR

vol3 しかしそれらのレースに継続的に参戦するには、

途方もないお金と時間、そして命が必要だ。これは一般的に個人レベルで賄うには限界に近い数字になる。もちろん「ただ予選通過して20位以下でもいいからゴール出来りゃOK」というスタンスなら、なんとかお金を工面してレースが出来るかもしれない。しかしほとんどのJSBレーサーは大なり小なりスポンサーを獲得してレースに挑んでいるはずだ。その上で全日本の20位前後、というのはどうも納得がいかない。
去年、全日本に出ている最中に痛烈に思ったのは「自分の出来る範囲で、納得の出来るレースを、これから継続的に行っていこう」ということだった。

年末調整を済ませた段階で「ある目的」用に貯めたちょっとしたお金があった。これは呑み食い代にはけして使わないようにプールしていたもので、有形無形問わず、自分の人生に意義のあることにボコンと使おうと決めていた金である。

今の自分にとって、そしてこれからの自分にとって、力となるもの。

それは、気合を入れて英会話とスペイン語教室に通うこと、そして―。

珍しく、悩んだ。

そして、一週間後。
約12年ぶりとなる白いトランポ、ステップワゴンを購入した。英会話とスペイン語は、今回はキャンセルした。

続く。
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by kei74moto2006 | 2006-05-08 05:23 | CBR1000RR