カテゴリ:2006-07 もてぎ選手権( 29 )

vol 60  最終回 もてぎロードレース選手権 R4(決勝)

2007 もてぎロードレースリリーズ最終戦。いよいよCBRチャレンジでの最後のレースが幕を閉じた。

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結果は、1位と0.910秒差での2位だった。

同時に、2007年シリーズチャンピオンとなる。

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神々が出雲大社に集って留守となるという神無月、それでも10月のもてぎの空は、爽やかな秋色だった。そしてその下には、たくさんのレース好きと、大好きな仲間達がいた。

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万感が交錯していた。ただ、それでもこの先また必ずレースをするだろうという確信だけは持った。

まるでノービスや国内A級のときのように、自費を投入してバイクを作りトランポを運転してタイヤ交換も整備も自ら行っての二年間だった。もちろん手伝ってくれた人、サポートしてくれた企業も少なからずいて、その人たちのおかげでここまでやれた。ただ、事の発端、そのベースは、まず自分が泥を吸ってでも動けるかどうかだったと思う。

そういう意味で、自分のルーツをしっかり確認できた二年間でもあった。

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「レース?遊びです」

12年前、モリワキから8耐に出るときに受けたNHKの特集取材において、レースとはなんですか?と聞かれて、そう応えた。全力でやれる遊びだと。日本のレース界で真の意味でのプロフェッショナルなどありえない、だったら自分の好きな形でやり続ける、遊びこそ偉大なものでありそこに妥協は許されない、だからこそ、それが自分のレースだ。

24歳の自分は、今見れば気恥ずかしくなるほどそう生意気なことをほざいていた。

もし今、あのときの自分に同じ質問を受けたら、なんと応えるだろうか。

やいクソジジイ、あんたにとって、レースとはなんだい?

「遊びだバカヤロウ」

間違いなく、そう応える。この二年を経てより一層、そう思った。

レースだけでメシが食えないからではない。技術レベルでいえば他の競技に負けているとは一切思わない。しかし、レースを興行とするならオレたちはけしてプロとはいえない。しかし、だから遊びというわけではない。

幸いなことにファクトリーレーサーになった経験はない。だからこそ、レースを真摯に考えられると思ってる。メーカーの思惑も何も関係ない。自分がやりたいかやりたくないか、それだけがすべての指標であり、モチベイションだった。

そういうことをやり続けて初めて自分が何をしたいのか、その輪郭がおぼろげながら見えてくる気がした。カネと時間と、時には命を賭して初めて知る「遊び」がある。

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延べ600日以上にも及ぶ自分の最大の遊びに、快く、そして最後まで付き合って下さった皆さん、本当にありがとう。JSBからだとすると3年間連続応援し続けてくれた人たちもいた。………家庭は大丈夫ですか(笑)。

大丈夫だろうが大丈夫じゃなかろうが、また、必ず面白い遊びを考えます。そのときは全開で誘うので宜しくお願いいたします。

2006-2007 梨本圭CBRチャレンジ

完。


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 CBRチャレンジスペシャルサンクス

 ホンダ

 ブリヂストン

 ASアオヤマ

 モリワキエンジニアリング

 アライヘルメット

 クシタニ

 KDC

 D.I.D

 ベスラ

 NUTEC

 NGK

 SUNSTAR

 モーターサイクリスト

 ドクターSUDA

 梨本塾大応援団

 雅会

 アオさん

 本橋くん

 ブンゲン

 浜松のナグタン

 鈴鹿のツネさん

 梅田のマッチャン

 王子の隊長 

 オールスターモータースポーツ
 
 ナオコ

 マユコ
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by kei74moto2006 | 2007-10-14 17:00 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 59 もてぎロードレース選手権 R4(決勝)

予選は二番手だった。トップはこのシリーズで何度も争っている黒川選手、VTR-SP1。一昔前のバイクだが、マシンパッケージそのものは結構イジくってある雰囲気だ。足回りなどにもお金はかかっている。

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その黒川選手と、はじめからガチバトルになった。

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ツインならではの特性を上手に生かして各コーナーのアプローチから立ち上がりまで隙なく走っている。トップスピードはそれほどでもないが、そこに到達するまでのテンポが驚くほど速い。

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予選からもさらに仕様を変更して挑んだCBRは、思い通りのマシンバランスとまではいかなかったものの、なんとかこれに喰らいついていくだけのパフォーマンスを発揮した。互いに相手の出方を伺いながらの序盤戦とはいえ、4周目には130RからS字の進入でトップに立ってそのままレースを引っ張る。

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6周目には25秒6、7周目に25秒5、8周目に25秒7と連続して予選タイムを上回るペースで周回する。ペース的にはけして悪くないものの、後ろも離れない。出来ればこの最終戦までに、あと1秒弱ほどペースアップできるようなパッケージを作り上げたかった。たぶん黒川選手とのベストラップではコンマ5秒近い差がある―どうする?ツインの排気音を背中で聞きながら、勝てる可能性を探る。

このペースで走って離せないなら、前を走るのは得策じゃない。残りは4周。一旦下がって相手を見ることにした。

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VTRとCBRの違いはこうだった。まずストレートエンドでは若干追いつき、コーナー進入はほぼ互角、しかしクリップ付近からはVTRが非常にコンパクトに回り、そこから脱出への移行が驚くほど速かった。こちらがホイルスピンをしてばかりいる2~4速間の加速力では太刀打ちできない。正直言えば、ほとんど勝負できるパートはなかった。つまりロングストレートの後半部分以外で、アドバンテージはない。

一発勝負。

そう決めて周回を重ねる。

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前に出た黒川選手も思ったほどペースは上がらず、ギリギリでついていくことは可能だった。タイヤの状態も似たようなもので、すでにリヤは流れ始めている。とにかく早くバイクを起こして加速に入れる。立ち上がりでは出来る限り後ろに乗ってリヤタイヤを地面にこすり付ける。垂直に近い状態でもホイルスピンを始めている以上、そんなギリギリの戦いしかなかった。

迎えた最終ラップ。ひとまずは舎弟圏内にいる。だが、バックストレッチからダウンヒル、S字にかけてややペースが上がった。恐らくワンチャンスは130RからS字の飛び込みだ。ここで離される訳にはいかない。

少し無理をしたショートカットS字立ち上がり(本コース4コーナー)では3速で思い切りリヤが流れた。しかしギリギリでハイサイドにはならず、そのまま縦方向のスライドになった。トップとの差が少しだけ開いてしまい、このままでは130R以降の勝負に出られない。

なんとかその差を詰めようと5コーナーのブレーキングを思い切り遅らせたところ………リヤが流れ出た。クリッピングどころかコースアウトしそうなほどの、大きなブレーキングミスだった。

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130Rでの進入では絶望的なほど差が開いていた。この瞬間、この二年間のチャレンジが終わったなと思った。もちろん最後まで何があるのか分からないのがレースでもあるが、これほど緊張感のある戦いの中で、下らないミスやマシントラブルは起き得ない。

最後のヘアピンを回ると、チェッカーフラッグよりも先にこの二年間の間、ずっと傍らに寄り添っていてくれたピットクルーやメカニック、そして応援団の姿が見えた。

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彼らに向かって最大限の謝辞を込めて、出来る限りフロントホイールを引っ張り上げ、神無月の空の彼方を眺めた。


つづく
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by kei74moto2006 | 2007-10-14 15:50 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 58 もてぎロードレース選手権 R4(予選)

いよいよもてぎロードレース選手権の最終戦の予選が始まる。これはもてぎでの最終戦というだけでなく、自分が二年間やってきたCBRチャレンジの最後のレースでもある。

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予選開始は11:35より20分間。東コースで行われるため、およそ13~4LAP程度周回出来る計算だ。

昨日のテストを終えてからは、ひとまず自分が感じている違和感をまずマシン側ですべて消し去ろうとセットアップをすることにした。リヤの車高の引き下げ、チェーンリンク数の調整、ファイナルレシオのさらなる見直し………。基本的にテスト走行は中古タイヤしか用いていないが、それにしても昨日までのタイムでは話にならない。なんとかしてもう一度納得のいくレベルまでマシンバランスを引き上げる必要があった。

コースインするといつもの風景が広がる。東コースピットより駆け下りすぐにダウンヒルへ。タイヤが温まっていない段階でここに入っていくのはいつも恐怖感がある。何事も起こらないようゆっくりとバイクを寝かせ、すぐにパーシャルへ。さらに立体交差を潜り抜け、東コースレースならではのS字ショートカットに入っていく。

右、左、右、そして最後の左で本コースの4コーナーへ繋がる。その後のストレートで全開にしてエンジンの様子を伺った。10月の澄んだ大気に呼応するように、CBRのエンジンは快調だった。

4周ほどスローペースで回りながら、空いている場所を探す。5周目にちょうど隙間が空いたのでファーストアタックへ入る。バックストレッチを駆け上がりながら「やれることを、全力でやろう」と決める。すべての照準を近未来へ。このイメージとの同化こそがファステストラップを意味する。

5周目のタイムは1分26秒0。テストよりも1秒以上速いタイムだったが、しかしイメージからは程遠い。一度ピットインして微調整をしてピットアウト。さらにアタックを繰り返した4周目にようやく25秒8をマークするものの、これが精一杯だった。

レースの予選という現場を走ると、迷いは払拭された。恐らくは唯一フォーカスできる場所がそこだったということだ。テスト走行時にはなかった感覚があった。走行後に湧き出てくるのは、恐怖心や亡くなったレーサーの顔ではなく、イメージ通りにならないマシンの現況と、それをなんとか決勝までにクリアするための様々なアイデアだった。

どんなことがあっても、この二年間の最後のレースをオレは楽しむことにする。

そう心に決めて、マシン準備に入った。


つづく
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by kei74moto2006 | 2007-10-14 11:35 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 57 もてぎロードレース選手権 R4(公式練習)

前回テストからほぼ一ヶ月、10月の第二週にいよいよレースウィークに突入する。

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立て続けに日本のロードレース界を襲った重大な事故。8月の終わりに奥野選手が重篤な状態に陥り、そのすぐ後には沼田選手が還らぬ人となった。また、前回テストを終えた9月末には奥野選手も入院先で亡くなり、わずかひと月ほどの間に二人もの実力者を失うという悲劇となった。

だが、この負の連鎖は、これほどの大きな悲しみを残してもなお、止まらなかった。なんとか気持ちがまとまるのを待とうと思っていた矢先、10月に入ってすぐに、今度はノリックが、よりによって公道で命を落とすという事態に陥る。

正直、ほとんど何も考えることが出来なかった。覚悟を決めているかどうかという話はさておき、レーサーが死ぬということはもちろん珍しいことではない。それだけのことをしているからだ。

しかし、全日本の、しかもトップランカーが立て続けに死ぬということはなかなかない。それぞれ速いだけではなく、レースシーンにおいて身を守る術を知り抜いているからこそ、ここまで生き抜き、レースを続けてこられたからだ。

だが、そういうものが奥野、沼田両選手の事故により根底から覆され、さらにはノリックが公道で、よりによってトラックとの衝突事故でこの世から去る………。同僚レーサーからの知らせでニュース速報を見ても、それが現実だとは受け入れられなかった。

信じられないという気持ちを抱いたまま、ノリックのお通夜に向かった。青山の斎場には数多くのファンや関係者、そして顔見知りのレーサーたちがたくさん詰め掛けていた。その誰もが、現実を受け入れられていなかったと思う。

うんざりしていた。なんでこんな場所で、レーサー同士が何度も顔をあわせなければならなないのかと運命を呪った。言葉など何もない。ノリック、お前とは先月沼田さんの葬式で会ったばかりじゃないか。なんで太陽のような笑顔がもっとも似合う男が、こんな一番似つかわしくないイベントのド真ん中にいやがるんだ………。最前列に幼子が座る会場で、焼香するのが精一杯だった。

2007もてぎロードレース選手権オープンマイスタークラス最終戦の公式練習は、この通夜の翌日だった。

マシンの仕様うんぬんかんぬんではなく、気持ち的には前回テスト時よりさらに澱みきっていた。レーシングスピードで走っても、何一つ開放されることはなく、重たい気持ちを背負ったまま周回を重ねた。タイムは一向に上がらず27秒台のままだ。こんなんでレースになるのか?そもそも明日の予選を走る意味があるのだろうか。なぜレースをしなければならないのだ?この時点では、その答さえ出ていなかった。

つづく
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by kei74moto2006 | 2007-10-13 10:18 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 56 もてぎロードレース選手権 R4(test)

歓喜のもて耐から一ヶ月弱、いよいよ2007年もてぎロードレース選手権の最終戦へ向けてテスト走行を開始した。

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スプリント仕様のCBRに跨るのは第三戦以来となるのでほぼ二ヶ月ぶり。この間はほとんどもて耐に没頭していたため、マシンは小変更のみに留めての走行となった。

もて耐からそう日は経っていないため体はキレていたし、マシンも大きな変更点はなかったため、それほど難しく考えていなかったものの、もう一つの大きなファクター「精神的な部分」で、大きな変化があった。

実はこのテスト走行の直前、日本のロードレース界は立て続けに大きなアクシデントに見舞われている。

まず8月の全日本選手権菅生ラウンドにて多重クラッシュが発生。この中で奥野正雄選手が巻き込まれ、重篤な状態に陥っている。またそれからほとんど間を空けぬ9月4日には、同じくST600クラスを走る沼田憲保選手が岡山のテスト走行でクラッシュし、還らぬ人となった。

昔から、なぜかバイクレースのアクシデントは伝播する。理由は分からないが、一度こういったケースが起こると重大事故が続くのだ。正直この時点では、レースを走るモチベイションが失われつつあった。

沼田選手の葬儀では、その先頭で大粒の涙を流しながら故人を偲ぶノリックの姿があった。沼田さんの亡骸の横には、ゴルフバックが立て掛けられていた。主人を持たないゴルフクラブの映像が、目に焼きついて離れなかった。レーサーでさえ、この立て続けに沸き起こるアクシデントをどう捉えていいのかわからなかった。

葬儀の後、岡田(忠之)さんの茨城の実家にみんなで向かい、どうにかしてこの深い悲しみから開放されようと喪服のまま浴びるほど酒を飲んだ。倒れるまで酒を酌み交わしたが、結局それでも何かから開放される感じは一切なかった。

そういう時間を経ての、テスト走行だった。長くレースを続けている人間ほど、一度コースに出れば、というほど単純ではない。身が入るはずもなかった。

結局この日の走行では1分27秒台が精一杯でテストを切り上げる。3月のテストでは25秒台にも入ることがあったことを考えれば、比較しようもないほど遅いペースだった。

………時間を重ねて気持ちがまとまるのを待つしかない。

この日のテストを終えたとき、そう思った。

だが、そうなることなどこの先二度とないのではないか、というほど大きなアクシデントがこの後も続くのだった。

つづく
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by kei74moto2006 | 2007-09-15 09:53 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 50 もてぎロードレース選手権 R3

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 いよいよ今年三回目のモテローとなる。

 ただこれまでと大きく異なるのは、翌日にもて耐の予選があるということ。ということはつまりほぼ併行してスケジュールは組まれているため、かなりハードなものとなることが予想された。

 スプリントCBRは前回からの仕様変更はなく、足回りだけセットアップすればいけるのではないか、と考えていた。

 公式練習では特別よくもなく悪くもなくというタイムだったんだけど、フロントに溜まるパートで巻く、という症状が出ていて少し気になっていた。130Rの飛び込みやダウンヒルエンド、最終区間などでどうもフロントタイヤが切れ込んでくる。今までこういう症状は出ていなかったので、少しセットアップを変えてみたものの、症状に改善は見られなかった。温間時のエア圧も2.4前後(F)と、特に問題はないものの、中古タイヤで59秒前半くらいのペースでやはりフロントが落ち着かなかった。

 迎えた予選。

 ひとまずフロント周りの確認をした上でアタックするものの、やはり気になって思い切れない。行こうとしたときにシュルシュルと抜けてしまう感じで、130Rの飛び込みも結構慎重になってしまった。

 57秒台には入ったもののフィーリングはよくなくて、これではラップレコードの56秒台は狙えないなと悶々としてしまった。

 ちなみに今年のモテローは、フルコースでのレースはこれで最後。つまり年間4戦のうち、2戦が東コースでのレースとなる。残りは最終戦の10月だが、これも東コースでのレースだ。正直いうと、東でのレースはあまり面白くない。走っていても、醍醐味となるような部分がまったくないからだ。もともともてぎはライダー冥利につきるというか、そういうレイアウトではないので、速く走ってもあまり達成感がないコースだが、エントリフィーにはじまってあらゆることでお金をサーキットに落としている身としては、これは非常に寂しい限りだ。もちろんフルコースでやる場合と東でやる場合とではコストをはじめ色々と異なってくるのだろうが、レース現場としては、ピット施設も思うように使えない場所でのレースというのはかなり厳しい。

 レースに戻る。

 予選はポールだった。これで四連続ということになるが、その前に自分のイメージどおりに走れていない、ということが大きい。イメージどおりであれば、たとえ予選タイムが出ていなくても決勝でやれる自信がつくものだけど、今回はイマイチそういう感覚がなかった。要は走っていてあまり楽しくなかったのだ。

 スタートでは例によってCBRクラッチ張り付き病に瞬殺され、ガックンウィリーとなり出遅れる。すぐに三番手まで追い上げたが、この先どうするか少し考えた。

(みんな応援しに来てくれてるしな~今回はちょっと時間かけて抜こうかな)

 これが、余計な目論見だった。

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 二周目のV字コーナー進入。

 まず二番手のマシンを抜きかかり、ついでトップも抜こうとしたとき、トップのマシンが進入でケツを振った。行き場を失いそうだったので、抜かずに引くと、そこに二番手のマシンが再度鼻先を突っ込んできた。(………ここに入れるのか?)内側を見ると、すでにケツが流れまくっていて、ハイサイド直前。(うお~そのままオレんとこに吹っ飛んでくんなよ!)。

 一瞬立て直したかに見えたが、あえなくそのままハイサイドとなり、まずマシンが突っ込んでくる。予感はあったので、なんとかギリで右にかわすと、今度はフロントタイヤのすぐ前にヘルメットが転がってきた。(うおッ、踏む………)

 ………今度は左に避けて、ほんとに、なんとかギリギリで回避できた。

(こりゃやっぱし早めにアタマ獲ったほうがいいな、すぐに前に出よう)

というようなことを0.001秒くらいで考えた直後だった。

 ズドンッ。

 左足に激痛。「!!!???」何かが思い切り当たった。すぐにアクセルを開けてシフトアップしようとすると、ペダルが見当たらない。下を向くと………無残にもステップが内側にめり込み、一切操作不能というほど折れ曲がっていた。どうやらさらに後続の車両が、オレを抜きざまに当てていったらしい。

 どうすることも出来なかったので、そのままピットイン。敏腕メカ本橋君に「ステップが曲がってる。折れてもいいから思い切り引っ張り出して!」と告げる。

 しかし頑丈なモリワキステップは少々のことでは元通りにならない。かなりの力でメガネレンチで引っ張っているものの、ビクともしなかった。

「マジに折れてもいいから、思い切り引っ張りだせ!」

「ハイ!」

「うりゃ~~~~~~!」

 ボギンッ!ゴロゴロゴロ~。

 折れたステップと一緒に転がっていく敏腕メカ本橋君。場内放送で「ナシモトナシモト」と騒いでいる最中で、みんな結構注目していたから、正直このときは笑ってしまった。

 だが笑ってもいられない。たまたまもて耐車両を降ろしてあったので、そのステップを換装することにする。本橋君と松ちゃんが速攻で作業してくれて、わずか3分程度でコースに戻ることが出来た。

 さて、どうするか。

 コースには戻ったものの、チンタラと走っていても面白くない。現在トップを走っているのは全日本のST600にも出場している選手らしい。今まで一緒に走ったことがなかったので、まずは走りを見てみたくなった。

 しばらく待っているとトップの選手がやってきた。二番手は………あ、オレに当てたバイクじゃねえか(苦笑)。まあレースだから仕方がないんだけど、プロレースでもないシーンでの接触事故というのはなるべくない方がいいと思う。残るのが遺恨くらいならまだしも、怪我でもしてたら趣味とはいえなくなってしまう。

 ひとまずトップの背後について走りを見物した。今回はじめて一緒に走る選手だが、全日本に出場しているだけあって、けっこう鋭い走りをしている。

(やっぱこのまんまゴールするのがマナー………かな)

 などと考えていたんだけど、誰かを抜くために出場するのがレース、と考えれば

(ん、やっぱ抜いちゃおっと)

となった。

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 最終ラップに前に出て、そのままブルーフラッグとチェッカーフラッグを同時に受けるという貴重な経験をした。これはつまり周回遅れだがトップを抜いてきたオレへの「ブルーフラッグ」であり、またその周回にゴールとなるトップの彼へのチェッカー、であった。彼の後ろであればそのままゴール、しかし前に出てしまったので、オレはもう一周することになった。

 去年からもてぎでレースをするようになってからこういうケースに見舞われたのははじめてだったが、ひとまず最後は思い切り走れたのでよしとしたい。そもそもはじめから全力で行かなかったのが運のつき。次回最終戦では、練習から120%の走りでやってみたいと思う。

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 今回も応援に来てくれたみんな、本当にありがとう!




CBRチャンレンジ~special thanks~

 ホンダ

 ブリヂストン

 ASアオヤマ

 モリワキエンジニアリング

 アライヘルメット

 クシタニ

 KDC

 D.I.D

 ベスラ

 NUTEC

 NGK

 SUNSTAR

 モーターサイクリスト

 ドクターSUDA

 梨本塾大応援団

 雅会

 アオさん

 本橋くん

 ブンゲン

 浜松のナグタン

 鈴鹿のツネさん

 梅田のマッチャン

 王子の隊長 

 ~もて耐予選に続く~

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by kei74moto2006 | 2007-07-16 00:38 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 48 2007 もてぎロードレース選手権 R2 (決勝)

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 いつものように梨本塾メンバーが大挙して応援に駆けつけてくれた。選手紹介がはじまると同時に、スタンドから「じゅっくっちょほ~う!」のダミ声。しかも限度を知らない大声で、場内アナウンスまでもかき消されるほどの大音量だった。

 さすがにドン引きのグリッドだったが、応援されている方からすれば嬉しくないはずがない。暑っ苦しいオトコたちが自分のレースを応援にきてくれる以上に嬉しいことはない。

 また今回のレースはオートショップアオヤマのツーリングプログラムにも組み込まれていて、お店のお客さんもツーリングがてら応援に駆けつけてくれた。ローカルレースとは思えない応援団の数に、いつもながら幸せを感じた。

 迎えた決勝だが、直前のST600のレースで多重クラッシュがあり、最終コーナー付近は真新しいオイル処理がなされたままの「真白」状態。幸い走行ライン上は問題なさそうだったが、レコードラインを外せばヤバそうな雰囲気だったので、サイティングラップで滑りそうな箇所をよく確認しておいた。

 スタート後、ダウンヒルまでに3番手に後退。これは予定通りというか、CBRのクラッチに不安を抱えたままの状態だったので、ほぼアイドリングスタートをしたのでしょうがない。ショートカットまで4番手に落ちるものの(キタリンにやられちまったよ!)、4コーナー立ち上がりで3位に上がり、V字で2位、いよいよトップの黒川選手を追いかける体制に入ったところで「レッドフラッグ」。

 どうやらダウンヒルで衝突事故があり、オイルが出たためにレースが中断されたらしい。

 ただでさえ非常に遅い時間のスタート(午後4時。朝早くから茂木に来ているだけに、この辺は非常にかったるい感じがする。プログラムそのものは3時間もあればすべて終わるはずだ)だったので、この赤旗でさらに進行は遅れ、およそ10分後の再スタートとなった。

 今回もサイティングでオイル処理箇所(ダウンヒル、ほぼ全面。これは非常に危険な対応だと感じた)をよく確認し、スタートに備える。

 二度目となるスタートもほぼアイドリングでクラッチミートしたものの、なぜかトップに立つ。そのまま抑えこんでダウンヒルに入ろうとしたところ、今回は600で参戦している黒川選手が矢のようにインを刺してきた。

 恐らく600の場合に勝負どころは突込みしかないはずなので、当然といえば当然のことだ。ついでについ最近の全日本筑波でシングルフィニッシュしたという黒川選手のCBR600RR(恐らく06以前のモデル)の実力を確かめることにした。すると、かなり驚くことが判明した。

 まずダウンヒルからショートカット、4コーナー立ち上がりまでは、圧倒的に600の方が速いことが判明。加えて、その後のストレートではここまでに生じた差を相殺することが出来ない。もちろん5コーナーから130R進入までも600の方が速いのだが、焦ったのは

「130Rも変わらねえ~のかよ!」

ということだった。

 600と対決する場合、よほど立ち上がり区間を稼げるサーキットレイアウトか、もしくは1000がスリックを履かない限り、思っていた以上にアドバンテージとなる箇所が少ないようだ。

 130RからS字区間はほぼ同じ、しかしV字は600、その後のストレートとヘアピンで少々差が詰まるものの、バックストレート1/3ほどまでは600の方が速く、ダウンヒルに入る辺りでようやく追いつき始める、といった感じだった。 

 もちろんこれは黒川選手レベルのライダー、そしてかなり速いマシンという前提があってのものなのかもしれないが、少なくともアマチュアが考える以上に1000のアドバンテージというのは少ないように感じた。逆にいえば今の600の実力はそこまで上がっている、ということでもある。プロダクションクラスのタイヤも600をメインに作られていることを考えれば、この高い運動性も頷けるものがある。

 さてレースなので感心ばかりもしていられない。

 バックストレッチで並びかけ、その後のダウンヒルで前に出るかどうするかしばし考える。

 ただ、やはりまだオイル処理痕は色濃く残っており、90度コーナーがどこまでいけるのかさっぱり分からない。明後日にはプロとのラウンドも控えており、この後すぐに試乗する仕事もあるので絶対に怪我するわけにもいかない。

 ひとまず様子を見ることにして一歩引くと、黒川選手がまたしても矢のように突っ込んでいった。だが………。

(………あれで曲がれるのだろうか?)

 さっきまでのオイル処理がない状態ならともかく、今回は「スケートリンクもてぎ」状態の90度コーナー。そこに全力で入っていく黒川選手だったが、クリップにつくかつかないかというあたりで思い切りスリップダウン、そのままコースサイドに吹っ飛んでいった。

 なんとなく予測はしてたものの、目前でのクラッシュだったために危うく轢きそうになってハードブレーキング。そのすきに3番手の選手に抜かれてしまう。

(やっぱ今日はこのコーナーはダメだな)

 かなりスピードを殺さないと走れないということが分かり、その上でどうするか考える。トップの選手とは今までほとんど絡んだことがなかったが、後ろから走りを見る限りは、なんとかなりそうだった。

 130Rでパスしてそのままトップに立ち、しばらく様子を見ながら抑えたペースで走る。やはりダウンヒルは雨よりも遅く走らないとヤバい感じだ。しばらくしてその走り方にも慣れてきたので、一気にスパートかけた。とてもレコードタイムを狙えるような状態ではなかったものの、後ろも徐々に離れ出したので、そのままのペースを守りきってチェッカーを受けた。不必要に長く感じた一日だったが、今回も無事にレースを終えることが出来てホッとする。

 今シーズン開幕から二連勝、昨年最終戦から数えて三連勝を飾ることが出来た。これで勢いをつけて、この後のもて耐公開練習に挑みたいと思う。

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 現場まで応援に駆けつけてくれたすべての皆さん、ホントにいつもありがとう!

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CBRチャンレンジ~special thanks~

 ホンダ

 ブリヂストン

 ASアオヤマ

 モリワキエンジニアリング

 アライヘルメット

 クシタニ

 KDC

 D.I.D

 ベスラ

 NUTEC

 NGK

 SUNSTAR

 モーターサイクリスト

 ドクターSUDA

 梨本塾大応援団

 雅会

 アオさん

 本橋くん

 ブンゲン

 浜松のナグタン

 鈴鹿のツネさん

 梅田のマッチャン

 王子の隊長


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クシタニつなぎ、2007バージョンになりました!


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by kei74moto2006 | 2007-06-04 22:07 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 47 2007 もてぎロードレース選手権 R2 (予選)

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「おはようございます!」

「ん?ああ、おはよう………」

「いまどこですか?雨は降ってますか?」

「ん?ああ………なんというかまあ、トンネル………みたいなとこだよ。雨は大丈夫だ」

「………そうすか!ボクが走っているとこも晴れてます!今日は大丈夫ですね!」

「………そうか」


 そんな電話ではじまった金曜日、フリー走行の朝。電話の主はブンゲンで、今年のもて耐チャレンジで第一ライダーを務める予定のライダーだ。今回のモテローにはブンゲンもエントリー、ST600クラスを走るらしい。今日はそのためにもてぎに向かい、道中から電話してきているのだった。

「ところでナシモト君、何時ごろ到着しますか?」

「………どこに?」

「どこにって(笑)。もてぎに決まってるじゃないですか!」

「………さあなあ。なあブンゲン、オレはいま”フトンネル”のなかなんだよ………」

「………(絶句)」

 そう、この日は朝からアホみたいに降水確率が高く、ゴルフならまだしもとてもじゃないが時間とコストをかけてまで走りに行く気にはなれなかった。朝からネットの実況アメダスを睨みつけていると、雨雲は秒単位で東へ伸びはじめ、あれよという間に関東全域を覆っていった。栃木方面も然り、但しかろうじて茂木周辺のみ「ポッカリ」と隙間があいてはいた。だが。

「走りましょうよ!」

「………ムリだな」

「大丈夫っすよ!オレ、晴れオトコですから!」

(世の中にオレ以上の晴れオトコなどいない。ブンゲンはまだそれを知らないらしい………)

「そっか。まあじゃあ晴れるだろ。一生懸命走ってこいよ」

「………マジっすか~(泣)」

 晴れオトコのオレが行かなければきっと大雨になるだろう。そんな勝手な予測をしたのだが、前回のセッティング同様これまた見事に当たり、ブンゲンは走り出して三周目のダウンヒルで雨にたたられ、走行終了となった。

「………帰ります」

 走行開始から15分後には、ブンゲンからそんな電話がかかっていた。

 そんなわけで直前走行は出来ずにそのまま決勝日入り。フリー走行はあるものの、非常に時間が短いために、大きな変更は出来ない。ただ前回テスト時の感触はよかったのでさほど心配はしていなかったのだが、いざ走り出すと

「!?」

 ………まるでCBRがR1になってしまったかのごとく、フィーリングは激変していたのだった。

 これには少々面食らい、セットアップを振ってみるものの、結局感触は戻らず。どうやら外気温、路面温度ともに前回よりも大幅に上昇したことで、足回りやエンジンのフィーリングが大きくズレてしまったようだ。

 それでもなんとかレコード更新をしようとかなりムキになって予選を走ったものの、結局マシンフィーリングは悪いままで、タイムにもそれが反映されてしまう。ポールは獲ったものの目標タイムからは1秒以上も遅く、達成感はゼロだった。

「なんとか決勝までにマシンの状態を戻して、レコードを更新したい」

 そう考えて色々と足回りのセットアップを見直して、プランを練る。2~3思いつく箇所もあったので、その辺を変更してレースに挑むことにした。

 だが、決勝もまたそんなに簡単にはコトが運ばないのであった………。

 つづく。
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by kei74moto2006 | 2007-06-01 16:26 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 46 2007 もてぎロードレース選手権 R2 (スポーツ走行)


 5月13日にスポーツ走行を走った。


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 前回レースから約二ヶ月、この間まったくマシンには乗っていなかったので久しぶりの走行となる。

 直前にマスターバイクスペインに行っていたこともあり、体はキレていた。東コースを走るのは昨年のレース以来だったが、すぐにリズムも取れて中古タイヤで26秒台に入った。

 しかしそこからがなかなか伸びず、一度ピットインして足回りのセットアップを試すことにする。

 昨年末からずっと抱えているのが、リヤのトラクション不足と過度にウィリーしてしまう車体姿勢。

 これまでもイニシャルや車高調整をして試行錯誤してきたんだけど思うような成果は上げられず


「いっそのこと丸ごとスウィングアームを変えてしまうか!?」

とも考えた。

 しかしながらかかるコストを考えるとそう簡単に出来るものでもなかったので、今まで試していなかった範囲にまで調整幅を広げてセットアップを試みた。

 するとこれが見事に当たり、ラップアベレージは26秒台前半に落ち着いた。二本目の走行では25秒台にも入り、昨年のレースタイムに匹敵するところまでペースアップに成功した。

「これなら24秒台も出るかもしれないな」

 このクラスの新たなコースレコードの樹立、そして同じ選手権で行われているスリック装着JSBクラスのレコードも大きく上回るタイムが出そうなほど、マシンは好感触だった。

 だが、そんなに簡単にハナシは進むはずもないのだった………。

 つづく。 
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by kei74moto2006 | 2007-05-30 21:57 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 45 2007 もてぎロードレース選手権 R1 (決勝)


 いよいよ今シーズンはじめての決勝レースだ。

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 開始時刻は16時20分………。何度も繰り返すが、3月のこの時間帯というはあまりレースするのに適した時間帯ではない。

 この辺は決勝前のブリーフィングでも話し合ったんだけど、1DAYレースとしている以上はいずれかのカテゴリーがこの時間帯を走らざるを得ない。そこで

「トップカテゴリーの人たちはタイヤや路面状態など分かっているひとも多いので」

という理由からそうなったのだそうだ。

 もちろんこれはアマチュアレースなのだから「いつでもオレたちを最適の時間に走らせろ」などと言う気はまったくない。主催者はもとより、ほとんどボランティアに等しい条件で参加してくれているオフィシャルの方々や、参加者も協力しあって成立しているのがアマチュアレース。ならばその都度誰かが泣くこともあるだろう。

 ただ250や400と、1000ccが寒い中で走るのでは危険の度合い、怪我を負った場合の大小もまったく違う。モテローに出場している選手はほぼ100%アマチュアであり、その中でタイムレベルの差こそあれ、危険認識という意味では、ほとんど全カテゴリーに差がない。

 もちろんペースの速い人たちほど色々な場面に遭遇しているはずなので、ルールやマナー、危険認識に関しては徹底しているはずだが、そうではない人たちが多すぎるのがもてぎがオープンしたときからの大きな悩みのひとつでもあるはずだ。

 そう考えると、規模は小さいがイチスクール主催者としては

「もう少しみんなを安全な環境で走らせるようなことは出来ないだろうか」

と考えてしまった。

 さてそんなことをいっていても自分のレースはもうスタートだ。シグナルがレッドになれば走り出すしかない。

 決勝前の展開予想としては、恐らく初期グリップのよさそうな黒川選手がスタートから逃げるはずなので、それを追いかけてなんとか序盤離されないようにし、後半で一気に勝負に出てみよう、というものだった。

 しかしそんな作戦はあっさりスタートで崩れ去る。

 サイティングの際にまたちょっとクラッチにトラブルが出ていることが発覚し、スタートではほとんど回転を上げずにミート。「後ろから行かれるだろうな~」と思っていると案の定2~3台が伸びてきた。

 1コーナーには4位で入り、3コーナーで3位にあがるものの、やはり左コーナーでの初期グリップは悪く「膝が擦れない!」(笑)。

 続く5コーナーでもかわせず130RからS字進入でようやく2位に上がるものの、黒川選手とは2秒くらいの差がついてしまった。

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 1周目は右コーナーしか膝が擦れず「このままだとヤバいかな」と思ったが、2周目の130RからS字では思ったよりも差がつかなかったので「これなら追いつける」とV字を立ち上がったところ、突如として黒川選手がスローダウン。

「!?」

 これには正直かなり面食らってしまった。

 間違いなく最後までバトルになるだろうと予測していたので、いきなり目標がなくなってしまい、まいった。

 悪いことにこの日は、行きつけのゴルフ場のオープンコンペ。去年はじめて90を切った記念すべきシリーズの第三戦がすぐ近くで行われている。

『………あまりに早い時間にレースの決着がついてしまった………ならば、今からいけば間に合うのではないか?』

 などとありえないことがアタマをよぎり、まったく集中できなくなってしまった。そのゴルフ場の社長さんはコンペ祝辞役を辞退してまで応援にかけつけている、というのにだ。

『もしかして荒川マラソンにも間に合うのでは?』

なんていうことまでアタマに浮かぶ始末。後ろを振り返っても誰もいない。10周のレースでバトルを楽しもうと思っていた矢先のことだったので、実際にレースをしているのかどうかよくわからない状態になってしまったのだ。

『じゃあ残りはタイムアタックでもしようかな』

とP-LAPに目を移すと………何にも写っていない(笑)。どうやら電源を入れ忘れてしまったようだ。

 きちんと後ろが確認できず、P-LAPも動いていない、近くではオープンコンペ、荒川ではマラソン。ということで二周目には58秒台だったラップペースが三周目には2分0秒台(笑)。なんだそりゃ?改めて走りながらP-LAPのスウィッチを入れ、動作確認をしてから四周目のサインボード見ると「+1.5」。

 さっきの周回では3秒ほどあった後続との差がが一気に1.5秒も詰め寄られている。P-LAPの入れにくいスウィッチをピコピコやりながらだったので自分のペースが遅いのは明らかだったが、にしても一気に差が詰まった。

『もしかして黒川選手はリタイヤしていないのか?』

 これで少し気合が戻り、ペースアップ。すぐに57秒台に入れる。

 しかしそれでも翌周のボードには+1.0と出た。これで黒川選手がリタイヤしていないことが明らかになり、しかも悪いことに結構なペースで背後に迫っていることも分かった。

『このまま引っ張ってみるか?それとも………』

 しばし考えたものの、結局はペースをキープして走行する。すると6周目には+0.3まで詰まってしまった。恐らくすぐ背後にいるはずだ。

 ここでいったん後ろに下がって相手の走りを見るか、それともフルスパートをかけてどうなるか試してみるか。難しい選択だったが、今週のもてぎでは「全開!」という感じで走れていなかったので、後者を選んだ。物は試しだ、どうなるかやってみよう。

 それまでとはちょっと違う感じで、思い切り車速を乗せて最終を立ち上がる。そのまま可能な範囲で一気にスパートをかけてみた。

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 すると翌周のボードには「+1.7」。それまでのペースを考えればありえない開き方だったが、恐らくミスかなんかしたのだろう。ならばと、さらにペースを上げる。

 すると差はまた広がり「+2.3」。こちらが57秒中盤ほどだったので、黒川選手は58秒台にまで落ちたということになる。

 残りは二周。

 ここまできてようやくゴルフもマラソンもアタマからなくなった。さらにベストを刻むつもりでペースを上げる。途中周回遅れに絡んだものの、障害になるようなことはなく、そのままの勢いでチェッカーを受けた。シーズン開幕となるレースでの優勝だった。

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 表彰台に向かうといつものように「ウオー」という怒号にもにたダミ声。男色濃い(もちろん禁色ではないですよ)なし塾の連中が待ち構えていて、みんんな喜んでくれている。これが、いま自分でレースをしていてもっとも嬉しい瞬間だ。自分のスクールの生徒さんたちの前で優勝すること。アマチュアレースだろうが全日本レースだろうが、それがすごく大事なことだと思っている。

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 彼らも規模、スピードは違うにせよ、毎月のなし塾でレーシングスピリッツ全開で走ってる。そういう人たちでなければ、なかなかレース本来の魅力は分からないものだ。ネットやテレビでクラッシュ映像ばかりを収集している連中とは、まったく違う。

 かねてからお伝えしているように、今年は「梨本塾レーシングASアオヤマ」としてもて耐に挑戦する。その前哨戦でもある今回のレースで、本当に男臭い(いや、最近は明らかにオヤジ臭い連中も増えた。オレだって年を重ねているんだから当然だ)連中に祝福されて、最高のスタートとなった。このままの勢いで、夏まで流れ込みたいと思う。

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 引き続き、応援よろしくです。



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by kei74moto2006 | 2007-03-29 09:22 | 2006-07 もてぎ選手権