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vol 49 最初で最後のもて耐公開練習

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 いよいよもて耐予選まで一ヶ月となった。6~7日はもてぎで公開練習があり、前回モテローから約二週間のインターバルを経て、もてぎへ乗り込むことになった。

 とはいえこの間にもて耐用車両の製作という大変な作業があり、ASアオヤマ並びに本橋君は目の回るような業務日程の中でマシンを仕上げてくれた。

 無事にマシンは完成し、スペアに持ち込んだスプリント用CBRと並んでピット入り。ほとんどの構成がノーマルパーツだが、これまで五戦を戦ったモテローの中で「これはマスト」と思われる部分に関してはすでにパーツを換装してある。この仕様で自分はともかく、他のブンゲンやさとし、としの三名が果たしてどこまでいくのかが楽しみだった。

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 まずはナラシを兼ねての慣熟走行をして、各部に問題がないかチェックする。睡眠時間を削りまくって作業してくれた本橋君だが、今回もミスは一切なく、バイクはきちんと走った。

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 当日の天気は曇り時々晴れ。公開練習参加台数はかなり多く、1回の走行数は60台以上にも登った。ベストラップを刻めるようなシチュエイションではないものの、こういう中でどんな特性なのかということも、耐久を走る上では大事な要素のひとつだ。

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 スプリントで走らせているものよりも当然パワーは落ちるものの、逆に中間レンジでのパワーデリバリーは落ち着いていて、非常に乗りやすいというのが第一印象だった。昨年モテロー初戦時とほぼ同じスペックだが、サスペンションバネレートやセッティングは当時よりもはるかに進んでいるということもあって、クセがなく、コーナリングがイージーという仕様だ。すぐに59秒台に入ったところでバトンタッチ。まずは一番速いブンゲンに乗らせた。

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 これまで筑波ではST600で何度も優勝しているものの、もてぎで1000ccのバイクを本格的に走らせるのは今回がはじめて。いつもラージマウスなブンゲンもさすがにビビったのか、10秒程度しか出ないままピットに戻ると、スモールマウスバスへと変化し、寡黙になっていたのには笑えた。

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 次にとしが乗り出すものの、こちらはさらに深刻。15~6秒台というペースでの走行となる。15周目辺りでようやく12秒台にまでペースアップしたものの、これは5年前に自分のGSXR-750でマークしたベストにさえ届かないタイム。「乗りやすいです」とはいうものの、ブンゲン同様、その声は普段からすれば「テラミニマム」な感じで頼りなかった。

 しかしその後は二人とも精力的に走りこみ、ブンゲンは3秒台、としは10秒台にまでタイムアップ。ひとまず第一段階としては合格というペースにまで持ち込んだ。

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 翌日はサトシが合流し、早々に11秒台をマークし、さらに積極的に走りこむ………はずだったのだが、元祖スーパー雨オトコのサトシ、なんといきなり大雨を降らせやがった………。ちなみにオレは二年間もてモテローを走ってきて、未だレインタイヤを履いたことがないというくらいなのだが、さすがにサトシの雨オトコぷりには勝てないみたいだ………。

 あまりにもひどい雷雨だったので、一度は撤収作業を開始したものの、しばらくすると天候は急速に回復し、土砂降りから二時間程度でドライへと変わった。

 ここでブンゲンが3秒前半にまでタイムアップしてトップタイムをマーク、としは12秒でストップ、さとしも同じく12秒台で走行を終える。 これで公開練習は終了、あとは予選までに各自がどれだけタイムアップできるかにかかっているのだが………。現時点でブンゲンのみが及第点をクリアしているものの、残りの生粋なし塾生のパワーは未だ未知数であり、実際にどこまでいけるのかはフタを開けてみなければ分からない。

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 未知数ということでいえば、今回は梨本塾レーシングにナゾのオージービーフことナイジェルが合流した。

 もしも、としやサトシがどうしてもタイムが出ない場合には、「第四のオトコ」として、マスターバイクで馴染みのオージーを急遽ライダーに抜擢し、凄まじいパワーを見せ付ける、という漫画的な展開なら面白いんだけど、そうではなくて、モリワキにコンタクトしてきたものをこちらで面倒見ることになった、というのが正直なところだ。

 ナイジェルは54歳、オーストラリア国内選手権やマン島にも参加しているライダーで、年齢はともかくガッツだけはすごくあるのが特徴だ。今回もオレと一切話さず、メールさえしないままに、地元の駅までたどり着いてしまったタフガイ。ひとまずホテルだけは用意してあげて、翌日は英語力0%のブンゲンが迎えに行き、そのまま無言で北上、もてぎでようやくオレと会えた、という展開。

 よく来たな、とは思ったものの、それ以上にビックリしたのは、彼が装具一式を抱えていること。

「走リタインデス!」

 アホか、と思った。

 もちろん甘い言葉など一切かけていない。というか事前に一切コンタクトしていないし、もちろんモリワキで担当した人にも「みるだけならOKだけど、絶対に走れない」と告げてある。しかも今回は最初で最後の公開練習だ。アカの他人の面倒見る前に、自分のチームのライダーやバイクをなんとかしなければならない。マジに日本語でアホか、と呟いてしまった。

「デモ走リタインデス!!」

 ………マジアホカ、コイツ。

 もちろん初対面のオージーに義理などない。な~んもない。ただそうはいっても、自分が諸外国を訪れるたびに、実に様々な人たちに救われてきたのも事実。アホかと思うと同時に………なんとかコイツをもてぎで走らせてあげられないかな、と考えてしまった。

 オーガナイザーに事情を話し、なんとかしてもらえないかと懇願すると、初心者枠の先導走行に限って走らせてもらることになった。もちろん彼はFIMライセンスを持っているからマナー&ルールについては問題ない。
 
 あとはバイクだが、もて耐号はもちろんのこと、スプリント仕様にしてもナゾのオージーに乗らせるわけにはいかない。すると………

「マジすか!?」

 空いてるのは、としの市販車バイクしかなかった。そう、毎月梨本塾に参加しているあのGSXR750だ。

「なんかあったら全部弁償させるからさ、な?」

ととしを無理やり了承させ、ナイジェルにも「これに乗れ」と指示。するとあろうことかとしではなくナイジェルから

「コノホイール曲ガッテマ~ス、ワタシハレーシングバイクニ乗リタイデース」

とクレームが入った。

 ………いい加減にしろこのヤロウ。怒りの目で「ハア?」みたいな感じで睨むとすぐに理解した様子で、「デモOKデース、アリガトゴザマース」となったので、一安心。本人は「ホワイトタイガー」と言い切るシマウマツナギを着て、としのバイクで初体験のもてぎを楽しんだのだった。

 その夜は………まあ色々とあるんだけど、この辺は次号のサイクリストを参照してもらうとして、とにかくただであえドタバタのもて耐がさらにドッタンバッタンになって楽しかったのはいうまでもない。

 もちろんレースをするからには「楽しい」以前に「勝つために」が大前提。反省点は星の数にも登るので、これからそれを全部洗い出して、予選に備えたい。

 ちなみに現時点で把握しているタイムスケジュールは

7/6………モテロー公式練習

7/7………モテロー予選、決勝、もて耐受付(車検?)

7/8………もて耐予選

となっている。まさしく我が家の三匹の猫も連れて行って手を借りようかというほど忙しいと思うので、もしもお手伝いに来れる方がいたらぜひ現地までよろしくです。なお宿泊も希望される方はstd_spd@hotmail.comまで「もて耐お手伝い宿泊希望」と書いて送信して下さい。
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by kei74moto2006 | 2007-06-14 18:53 | 2007もて耐

vol 48 2007 もてぎロードレース選手権 R2 (決勝)

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 いつものように梨本塾メンバーが大挙して応援に駆けつけてくれた。選手紹介がはじまると同時に、スタンドから「じゅっくっちょほ~う!」のダミ声。しかも限度を知らない大声で、場内アナウンスまでもかき消されるほどの大音量だった。

 さすがにドン引きのグリッドだったが、応援されている方からすれば嬉しくないはずがない。暑っ苦しいオトコたちが自分のレースを応援にきてくれる以上に嬉しいことはない。

 また今回のレースはオートショップアオヤマのツーリングプログラムにも組み込まれていて、お店のお客さんもツーリングがてら応援に駆けつけてくれた。ローカルレースとは思えない応援団の数に、いつもながら幸せを感じた。

 迎えた決勝だが、直前のST600のレースで多重クラッシュがあり、最終コーナー付近は真新しいオイル処理がなされたままの「真白」状態。幸い走行ライン上は問題なさそうだったが、レコードラインを外せばヤバそうな雰囲気だったので、サイティングラップで滑りそうな箇所をよく確認しておいた。

 スタート後、ダウンヒルまでに3番手に後退。これは予定通りというか、CBRのクラッチに不安を抱えたままの状態だったので、ほぼアイドリングスタートをしたのでしょうがない。ショートカットまで4番手に落ちるものの(キタリンにやられちまったよ!)、4コーナー立ち上がりで3位に上がり、V字で2位、いよいよトップの黒川選手を追いかける体制に入ったところで「レッドフラッグ」。

 どうやらダウンヒルで衝突事故があり、オイルが出たためにレースが中断されたらしい。

 ただでさえ非常に遅い時間のスタート(午後4時。朝早くから茂木に来ているだけに、この辺は非常にかったるい感じがする。プログラムそのものは3時間もあればすべて終わるはずだ)だったので、この赤旗でさらに進行は遅れ、およそ10分後の再スタートとなった。

 今回もサイティングでオイル処理箇所(ダウンヒル、ほぼ全面。これは非常に危険な対応だと感じた)をよく確認し、スタートに備える。

 二度目となるスタートもほぼアイドリングでクラッチミートしたものの、なぜかトップに立つ。そのまま抑えこんでダウンヒルに入ろうとしたところ、今回は600で参戦している黒川選手が矢のようにインを刺してきた。

 恐らく600の場合に勝負どころは突込みしかないはずなので、当然といえば当然のことだ。ついでについ最近の全日本筑波でシングルフィニッシュしたという黒川選手のCBR600RR(恐らく06以前のモデル)の実力を確かめることにした。すると、かなり驚くことが判明した。

 まずダウンヒルからショートカット、4コーナー立ち上がりまでは、圧倒的に600の方が速いことが判明。加えて、その後のストレートではここまでに生じた差を相殺することが出来ない。もちろん5コーナーから130R進入までも600の方が速いのだが、焦ったのは

「130Rも変わらねえ~のかよ!」

ということだった。

 600と対決する場合、よほど立ち上がり区間を稼げるサーキットレイアウトか、もしくは1000がスリックを履かない限り、思っていた以上にアドバンテージとなる箇所が少ないようだ。

 130RからS字区間はほぼ同じ、しかしV字は600、その後のストレートとヘアピンで少々差が詰まるものの、バックストレート1/3ほどまでは600の方が速く、ダウンヒルに入る辺りでようやく追いつき始める、といった感じだった。 

 もちろんこれは黒川選手レベルのライダー、そしてかなり速いマシンという前提があってのものなのかもしれないが、少なくともアマチュアが考える以上に1000のアドバンテージというのは少ないように感じた。逆にいえば今の600の実力はそこまで上がっている、ということでもある。プロダクションクラスのタイヤも600をメインに作られていることを考えれば、この高い運動性も頷けるものがある。

 さてレースなので感心ばかりもしていられない。

 バックストレッチで並びかけ、その後のダウンヒルで前に出るかどうするかしばし考える。

 ただ、やはりまだオイル処理痕は色濃く残っており、90度コーナーがどこまでいけるのかさっぱり分からない。明後日にはプロとのラウンドも控えており、この後すぐに試乗する仕事もあるので絶対に怪我するわけにもいかない。

 ひとまず様子を見ることにして一歩引くと、黒川選手がまたしても矢のように突っ込んでいった。だが………。

(………あれで曲がれるのだろうか?)

 さっきまでのオイル処理がない状態ならともかく、今回は「スケートリンクもてぎ」状態の90度コーナー。そこに全力で入っていく黒川選手だったが、クリップにつくかつかないかというあたりで思い切りスリップダウン、そのままコースサイドに吹っ飛んでいった。

 なんとなく予測はしてたものの、目前でのクラッシュだったために危うく轢きそうになってハードブレーキング。そのすきに3番手の選手に抜かれてしまう。

(やっぱ今日はこのコーナーはダメだな)

 かなりスピードを殺さないと走れないということが分かり、その上でどうするか考える。トップの選手とは今までほとんど絡んだことがなかったが、後ろから走りを見る限りは、なんとかなりそうだった。

 130Rでパスしてそのままトップに立ち、しばらく様子を見ながら抑えたペースで走る。やはりダウンヒルは雨よりも遅く走らないとヤバい感じだ。しばらくしてその走り方にも慣れてきたので、一気にスパートかけた。とてもレコードタイムを狙えるような状態ではなかったものの、後ろも徐々に離れ出したので、そのままのペースを守りきってチェッカーを受けた。不必要に長く感じた一日だったが、今回も無事にレースを終えることが出来てホッとする。

 今シーズン開幕から二連勝、昨年最終戦から数えて三連勝を飾ることが出来た。これで勢いをつけて、この後のもて耐公開練習に挑みたいと思う。

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 現場まで応援に駆けつけてくれたすべての皆さん、ホントにいつもありがとう!

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CBRチャンレンジ~special thanks~

 ホンダ

 ブリヂストン

 ASアオヤマ

 モリワキエンジニアリング

 アライヘルメット

 クシタニ

 KDC

 D.I.D

 ベスラ

 NUTEC

 NGK

 SUNSTAR

 モーターサイクリスト

 ドクターSUDA

 梨本塾大応援団

 雅会

 アオさん

 本橋くん

 ブンゲン

 浜松のナグタン

 鈴鹿のツネさん

 梅田のマッチャン

 王子の隊長


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クシタニつなぎ、2007バージョンになりました!


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by kei74moto2006 | 2007-06-04 22:07 | 2006-07 もてぎ選手権

vol 47 2007 もてぎロードレース選手権 R2 (予選)

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「おはようございます!」

「ん?ああ、おはよう………」

「いまどこですか?雨は降ってますか?」

「ん?ああ………なんというかまあ、トンネル………みたいなとこだよ。雨は大丈夫だ」

「………そうすか!ボクが走っているとこも晴れてます!今日は大丈夫ですね!」

「………そうか」


 そんな電話ではじまった金曜日、フリー走行の朝。電話の主はブンゲンで、今年のもて耐チャレンジで第一ライダーを務める予定のライダーだ。今回のモテローにはブンゲンもエントリー、ST600クラスを走るらしい。今日はそのためにもてぎに向かい、道中から電話してきているのだった。

「ところでナシモト君、何時ごろ到着しますか?」

「………どこに?」

「どこにって(笑)。もてぎに決まってるじゃないですか!」

「………さあなあ。なあブンゲン、オレはいま”フトンネル”のなかなんだよ………」

「………(絶句)」

 そう、この日は朝からアホみたいに降水確率が高く、ゴルフならまだしもとてもじゃないが時間とコストをかけてまで走りに行く気にはなれなかった。朝からネットの実況アメダスを睨みつけていると、雨雲は秒単位で東へ伸びはじめ、あれよという間に関東全域を覆っていった。栃木方面も然り、但しかろうじて茂木周辺のみ「ポッカリ」と隙間があいてはいた。だが。

「走りましょうよ!」

「………ムリだな」

「大丈夫っすよ!オレ、晴れオトコですから!」

(世の中にオレ以上の晴れオトコなどいない。ブンゲンはまだそれを知らないらしい………)

「そっか。まあじゃあ晴れるだろ。一生懸命走ってこいよ」

「………マジっすか~(泣)」

 晴れオトコのオレが行かなければきっと大雨になるだろう。そんな勝手な予測をしたのだが、前回のセッティング同様これまた見事に当たり、ブンゲンは走り出して三周目のダウンヒルで雨にたたられ、走行終了となった。

「………帰ります」

 走行開始から15分後には、ブンゲンからそんな電話がかかっていた。

 そんなわけで直前走行は出来ずにそのまま決勝日入り。フリー走行はあるものの、非常に時間が短いために、大きな変更は出来ない。ただ前回テスト時の感触はよかったのでさほど心配はしていなかったのだが、いざ走り出すと

「!?」

 ………まるでCBRがR1になってしまったかのごとく、フィーリングは激変していたのだった。

 これには少々面食らい、セットアップを振ってみるものの、結局感触は戻らず。どうやら外気温、路面温度ともに前回よりも大幅に上昇したことで、足回りやエンジンのフィーリングが大きくズレてしまったようだ。

 それでもなんとかレコード更新をしようとかなりムキになって予選を走ったものの、結局マシンフィーリングは悪いままで、タイムにもそれが反映されてしまう。ポールは獲ったものの目標タイムからは1秒以上も遅く、達成感はゼロだった。

「なんとか決勝までにマシンの状態を戻して、レコードを更新したい」

 そう考えて色々と足回りのセットアップを見直して、プランを練る。2~3思いつく箇所もあったので、その辺を変更してレースに挑むことにした。

 だが、決勝もまたそんなに簡単にはコトが運ばないのであった………。

 つづく。
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by kei74moto2006 | 2007-06-01 16:26 | 2006-07 もてぎ選手権